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ハンガリーの映画産業 [一般]


ヨーロッパでは不安定な経済状況がつづいている昨今、
ハンガリーでは活気づいている産業があります。
いまハンガリーは、映画産業の復活にかけているのです。

ブルース・ウィリス主演の人気アクションシリーズ第5作「ダイハード ラスト・デイ」で、
映画冒頭のモスクワの街でのカーアクションシーン、
じつは ブダペストで撮影されたものです。
街角のポスターをロシア語にかけかえたり、「モスクワ」と書かれたタクシーを走らせて、
映画の舞台モスクワの街に早替わり。
こうしていま、多くの映画がハンガリーで撮影されているそうです。

’60年~’70年代はハンガリー映画全盛期で、
「だれのものでもないチェレ」といった、社会の苦難や現実を描写した
独特の雰囲気の映画製作が、盛んに行われていました。

けれど民主化と共に、西側の映画に押されて 次第に衰退していったのです。
経済は低迷し、失業率も10%台となって 外国に働き口を求めて出る若者も多くなりました。
経済の活性化の切り札としていま期待されているのが、「映画」なのです。

ハンガリー政府は、映画ロケ誘致へあの手この手で策を講じています。
2004年には、「外国映画ロケ誘致」と、「国産映画活性化」の
二つの目標を掲げて「映画法」を制定しました。

経済危機に陥ったときは、雇用や成長を生み出す分野を大切にする必要があり
ハンガリーでは映画産業がその一つのようです。

外国映画のロケを誘致するため 前面に打ち出したのが、
”どんなヨーロッパの町並みも表現できる” ブダペストの魅力です。
というのも、特徴的で目立つ建物が少なく、
これまでにも ロンドンやパリに見立てて撮影が行われてきました。

ハリウッドに比べて 安い人件費も大きな魅力のようです。
たとえば照明の技術費は、約3分の1の費用で済むのだそう。
そして、撮影経費の20%を国が還元するという支援策もあります。

こうした政策が功を奏して、2009年には79本の映画やドラマなどの誘致に成功したとか。
さまざまな支援策のおかげで 撮影現場としてとても魅力的なわけです。

ハリウッドの大物プロデューサー アンドリュー・バイナ氏を経済省の映画長官に招いて、
これまでの彼の人脈や経験を活かして 次々と映画を誘致。
経済効果をグンと引き上げたと見られます。

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』 も氏の誘致。
外国の映画監督をいかにひきつけ、ハンガリーで撮影してもらうか。
そして一流の作品に触れる機会を作り、
ハンガリー映画に関わる人材育成にも力をいれて セミナーを開いています。

海外の映画だけでなく、国産の映画製作にも資金援助が行われて
かつてのハンガリー映画の活性化にもつながっているのです。

経済再生の願いが託されたハンガリーの映画産業は、
国を代表する産業としての復活を、目指しているのです。





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